介護施設とは、高齢者に介護サービスを施す施設全般を指す名称ですが、その内訳にはいくつかの種類が存在します。大きくは民間施設と公的施設であり、その中にさらに種類が存在するのですが、それらは利用者の費用負担という点でも大きく異なります。そのような費用負担の差はどのように生まれるのでしょうか。まず、民間施設と公的施設で比べれば、地方公共団体や医療法人によって運営される公的施設と比べて、資本主義における経済活動の一環として介護サービスを提供する民間施設の方が、費用負担が高い傾向にあります。民間施設の中でも特に費用負担が高いものは介護付き有料老人ホームであり、逆に費用負担の軽いものはグループホームになります。両者の費用負担の違いは、十〜十数万にも及びますが、この違いはサービス内容を考えてもらえればわかりやすいでしょう。介護付き有料老人ホームは、いわば個室付き、かつ一人一人に合わせたサービスを提供するホテルのようなものです。食事はルームサービスと思えば、費用負担が高くなるのもうなずけるでしょう。それに対してグループホームは入居者で集団生活を営むようなイメージで言えば、寮のようなイメージが近いと言えるでしょう。そう考えると、費用負担の違いが出るのも確かに思えます。一方で公的施設は、施設ごとの費用負担にさほど大きな違いはありませんが、より繊細なケアを要求される施設の方が、費用負担が高い傾向にあります。つまり、民間施設の費用の違いは広くサービスの内容によって、公的施設の費用の違いは施すケアの内容によって変化すると言えるでしょう。